令和2~3年度実施事業概要

遺伝子検査の可能な血液中循環がん細胞検出装置の開発

統括研究者 名古屋大学 大学院医学研究科消化器外科学 講師 神田光郎
共同研究機関
  • 名古屋大学
  • マルヤス工業株式会社
研究開発の要約  がんゲノム医療の進展に伴い、血液中循環がん細胞(CTC)や循環腫瘍DNA(ctDNA)などのLiquid Biopsy は臓器生検に比べて血液から低侵襲かつ繰り返し行える診断ツールとしてその臨床的重要性が増している。ctDNA による遺伝子検査は一部のがんでは既に保険適応になっているのに対し、CTC はctDNA にない細胞としての優位性を有しているものの、その希少性とマーカー発現の多様性ゆえ、CTC検出とその遺伝子検査は未だ臨床実装には至っていない。
 本研究では、上記課題を克服する方法として、形態情報を加えた免疫細胞診としてCTC を明視野、光学顕微鏡で検出でき、かつ遺伝子検査まで行える全く新しい、しかも簡便、低コストな自動CTC分離・標本作成装置を開発、臨床試験で臨床データを蓄積し、将来的には市中病院の臨床検査室でも使用可能なCTC検出装置(システム)として事業化を目指す。

三次元フォトリソグラフィ加工技術の開発

統括研究者 豊田工業大学 大学院工学研究科 教授 佐々木実
共同研究機関
  • 豊田工業大学
  • 株式会社アイセロ
研究開発の要約 私たちが研究開発をしてきた三次元フォトリソグラフィ技術は、機械部品の立体に適用できる。LSIの工業生産を可能にしてきた多点を同時に加工できる長所は、平面基板にのみ有効であったが、立体の精密機械にも適用できつつある。水溶性ポリマーのPVA膜付きシートをプロセスに導入したことがポイントである。
研究室レベルの試作で有望な結果を得てきたが、質を高めて高付加価値モノづくりのニーズに答える。PVAは洗濯糊に利用される、安価な材料である。リソグラフィ応用に答えるには、プロセス技術と共に、材料特性を改善すべき段階に達している。
材料開発と合わせて、小片基板(例えば、高価なGaN基板を使う電子デバイス開発用)向けレジスト膜貼付け器具を確立する。
更に、立体形状を持つ機械部品への表面機能の融合を実現する。ロボットハンドの指に入る小型・高精度モータむけエンコーダ金属スケールと、電気自動車むけ防霜構造付き熱交換器フィン材に取り組む。