株式会社八幡ねじ

三方善の精神で新技術・新分野を拓く

想客人之所想・想客人之所急・想客人之所需

 強い北風が吹く厳冬の朝、名神高速道一宮インターチェンジの南東2kmにある株式会社八幡ねじ本社を訪問し、鈴木建吾社長と西里久一商品企画部長にお話を伺いました。同社は、各種ねじとその関連製品を中心とした製造・販売・流通に革新的に取り組む企業で、「顧客の想うことを思い、急ぐことに応え、需(もと)めることに備える」を合言葉に、マーケットインで顧客ニーズを商品化しているメーカベンダです。

創業事始

 当社は、昭和21年に創業者の先代社長が地域の大手機械会社から独立し、名古屋市北区内にねじの製造会社を創業したのが始まりです。その後、顧客ニーズに合ったねじの販売を行う商社機能に特化し、昭和50年代半ばから、全国のホームセンター等の、多品種少量のマーケットニーズに的確に応えることで国内シェアを大きく伸ばしました。更に平成期以降、海外(タイ、中国、インドネシア)に生産工場を開設して、商社からメーカベンダに大きく変貌し、ねじの製造から販売に至る最適システム化を実現するよう努力しています。 

基幹となる技術は・・・

 当社が取り扱うねじ商品は、直径1mmの小ネジから、100mmの大きなネジまで、径が一様な平行ねじばかりでなく、先が尖ったねじや、金属板に直接穴をあけ締結できるセルフタップねじ、丸棒の全体にねじを切ったスタッドボルト、リベット、建築や土木のブレースやプラグ、高張力ボルト、各種基礎に使うアンカーボルト、更にはナット、ワッシャ等、多様なものがある上、その材質や寸法も多岐に亘っており、約15万種類に及びます。
 このように多品種の製品を間違いなく提供するには、それぞれのプロセスをシステム化することが必要であり、最適生産を行うには世界のどこで行うべきかの情報管理システム、どのように生産するかの生産管理システム、作られた商品の品質管理システム、誤りなく発送する物流管理システム、新製品なら商品開発システム、更には各システムを連結・制御するトータルフローシステムが必要となります。
 またねじ製品の加工も多様で、自社工場においては、切削、ねじの頭を形成するヘッダー、冷間圧造を行うフォーマー、ねじ部を形成する転造機、プレス等により、顧客ニーズを満たす「高品質な商品」製造に取り組んでおります。 

高い顧客満足度を得るためには・・・

 当社の主要事業としては、機械・電気・自動車等に使われる締結品を扱うFN(Fastening)事業部と、全国のホームセンターで販売されるDIY(Do It Yourself)商品を扱うHI(Home Improvement)事業部が、ほぼ同規模の実績を有しています。 
 FN事業部では、顧客企業のモノづくりに貢献するべく、国内顧客のコストダウン要請に応じて海外製品の導入を実施してきましたが、輸入品には信頼性に欠ける商品も多く、そのため当社では、品質管理の徹底を図るべく検査システムの導入を行う一方、海外に自社工場を建設し、高品質と低価格の両立を実現しました。一方HI事業部では、多品種少量製品の物流を、ミスなく低コストで実現するシステムを構成して、平成20年度の中小企業IT経営力大賞の経済産業大臣賞をいただくことが出来ました。
 ねじ製品は近年、100円ショップ等においても販売され、「大量生産品につき不良品が混じることがある」等の表示がなされているところもあります。しかし、製品がどのような場所に使われるか判らない以上、生産者としては性能が不足する製品の提供は厳に避けるべきであり、検査機能を完備させ不良品を排除する体制を確立することが必要と考えております。  

ねじ分野での新たなニーズに応えるために・・・

 当社は、時代を先取りし、炭素鋼製品での高耐食性の表面処理技術、ねじの緩みを防止する機能性部品、高強度・高靭性・長寿命といった共存させにくい特性の実現といった、古くから求められてきた課題にも応えるべく、製品開発に取り組んでいます。こうした基本的かつ困難な問題解決では、顧客側に高いニーズがあり、顧客製品の企画・開発・試作段階から関わって、顧客と共同で商品開発を行っております。また当社は、早い段階から自社の海外工場を展開しており、こうした開発困難な商品開発を他の海外メーカとも連携して開発することで、安心して使用できる「高品位な商品」を実現するシステムづくりを進めております。 

インターネット時代の事業展開は・・・

 当社では昭和57年から、顧客との間でEDI(電子データ交換)を開始し、受発注を電子化しました。現在ではこれを更に発展させ、自動化の拡充に努めております。また、商品の啓蒙活動の目的から、ネットショップを開設し、15万種類の商品がネット上でご覧いただけ、発注・入手することが可能です。勿論、実際に商品を見なければ判らないこともありますが、ネットで希望する商品の有無やその概要を知ることが出来るようになっています。
 今後の当社の課題は更なる自動化の推進でありますが、その際にも、顧客、当社、社会のいずれもが良くなるという「三方善」を判断基準に、「世界最適生産・調達」という国際化に向けた取り組みを深め、顧客に高品質な商品を届け続けたいと考えております。 

会社概要(取材当時)
  • 社名:株式会社八幡ねじ
  • 創業:1946年
  • 資本金:2,000万円
  • 代表取締役社長:鈴木健吾
  • 従業員数:224名(1211名:グループ)
  • 事業内容:ねじとその関連製品の製造販売
  • 本社:愛知県北名古屋市山之腰天神東18 TEL(0568)22-2629