株式会社エアロ

航空機組立一貫生産で、培った信頼を活かして、
幅広い航空産業分野ヘ貢献

 梅雨入りしたとは思えない好天の中で、名古屋港に面した弥富市楠にある株式会社エアロ本社に和田社長を訪問し、お話を伺いました。同社は愛知県内にあって創業以来一貫して、航空機組立事業を中核に、品質検査機器、航空製造にかかわる機器の開発、航空機の運航に関わる消耗部品等の販売、航空機の開発製造に必要な人材の派遣などの多様な事業を通じて、圏内の航空機産業の発展に貢献しています。
 

創業事始

 この中部地域は戦前から航空機製造の中心地として栄えてきました。戦後の一時期、航空機製造は壊滅的な打撃を受けましたが、その後復活を遂げました。

当社の設立の基盤となった株式会社和国製作所と株式会社西村製作所は設立当初から一貫して航空機産業に関与し、特に航空機組立に欠かせない治工具の製造を行ってきました。1997年になって、両社とも

取引先であった三菱重工業株式会社の要請を受け、航空機組立作業を請け負ったのが、現エアロの基幹事業である航空機組立事業の取り組みの端緒となりました。1997年10月和田製作所と西村製作所は共同して当社の前身である“株式会社エアロスペースシステム"を設立し、2008年10月に現社名の“株式会社エアロ"に変更しました。
 創立以来、ボンバルデイア社、ボーイング社、三菱重工業などの航空機の構造及び蟻装組立、塗装、航空機組立治具の設計/製作、航空機部品の販売、航空機組立など特定労働派遣事業などを通じて、航空機産業の基盤を支えるべく企業活動を展開してきました。そうした活動が評価され、2014年3月には愛知県により「愛知ブランド企業」として認定いただきました。

基幹となる技術は...

 当社の基幹となる技術は、航空機の組立技術にあります。当社が目指しているのは、組立分野で、のハイレベルな技術と品質の確立です。設立以来、組立ノウハウを蓄積しながら、無駄のない工程設計から、組立治具設計・製作、構造組立から塗装、蟻装組立までの一貫生産体制を構築してきました。また、航空機部品に欠かせない安全性をハイレベルで満足させるために、ハイクオリティな製品を提供し、その結果、2002年には三菱重工業(掬品質マネジメントシステムMSJ4400を認定取得したのを始めとして、品質企画のグローパルスタンダードである航空宇宙品質マネジメントシステムJIS Q9100/JIS Q9101の認証を取得しています。また、2010年に環境マネジメントシステムJIS Q1400の認証も取得しています。
 また、航空機の組立は自動化が十分に進んでいないため、多くの部分が現場技術者の技能・経験によるところとなっています。そこで、社内での航空機組立技術者の教育に力を注いできました。こうした取り組みは、航空機メーカの開発プロジェクトに必要な航空機の組立工程に関わる幅広い人材を派遣する事業にも繋がりました。

新技術開発への取り組み

 航空機は「安全性」が最も重要なミッションです。このため、孔あけ位置や接合品質には高い加工精度が要求されます。当社を含め、これまでは目視による検査を実施してきましたが、残念ながら人による検査では24時間安定して正確な検査/測定を担保することは難しく、また客観的な検査エピデンスの管理にも課題が残
ります。そこで、「画像処理技術」に注目し、画像処理による客観的で正確な検査、検査エピデンスの管理実現に向けてシステム開発を進めてきました。その成果は、2012年に画像処理システム「SPIA」の事業化に繋がりました。また、2011年度には経済産業省「戦略的基盤技術高度化支援事業」に当社が提案した「航空機主翼組立におけるファスナ装着状態の革新的検査技術の開発」が採択され、2014年3月まで産学共同により開発を進めることができました。こうした成果は航空機製造分野だけではなく、自動車製造などさまざまな分野への展開が期待できます。航空機分野で培った技術を背景に、今後も「画像処理技術」を核として新たな技術開発を進めて行きたいと考えています。

高い顧客満足度を得るためには...

 現在、航空機産業には追い風が吹いていますが、これまでのように単に航空機の製造組立を受注するだけでは、さらなる発展は期待できないと考えています。航空機製造は安全性を最重要視しなければいけないため、製造プロセスは保守的にならざるを得ませんが、より安全で効率的な航空機製造を行うため、航空機メーカのニーズも大きく変化しています。顧客である航空機メーカが新たなプロジェクトに取り組むときに、当社で、培った航空機組立技術をさらに発展させ、開発設計からその製造プロセス全般に対し、独自の新たな提案ができるよう技術基盤や組織体制の強化を進めています。ここに、最近の取組例として、新たな孔あけ工具の開発についてご紹介します。この工具は、ドイツのルーバリング社と提携して多層材の孔あけをワンショットで実現するもので、エアロの航空機組立現場で培ったノウハウを組み込み、新たな孔あけ工具として航空機メーカなどに提案したものです。

さらなる発展を目指して-“AERO360”の取組

 当社には設立以来の大きな夢があります。航空機の製造は、機体組立だけでなく様々な業務の繋がりで進められています。当社がこれまで築き上げてきた航空機組立分野の技術とノウハウをベースに、機体製作の全てを手掛ける企業に成長し、"Made in AERO"の機体が空に飛び立つ日を目指して、あらゆる方向の技術分野に果敢に挑戦していくことを“AERO360"のビジョンに込めて取り組んでいきたいと思います。そして、その実現に向けて、エアロの経営理念である「人」を中心にした企業活動を進めて行きたいと思っています。

会社概要(取材当時)
  • 社名:株式会社エアロ
  • 創業:1997年
  • 資本金:2,500万円
  • 代表取締役社長:和田典之
  • 従業員数:357名(平成26年4月1日現在)
  • 事業内容:航空機の構造及び蟻装組立、塗装など
  • 本社:愛知県弥富市楠二丁目65番地27