東洋理工株式会社

プラスチック表面処理加工のパイオニアとして
ニーズの先をいく製品をお届けする

 爽やかな秋晴れの下、農地の中に住宅、工場等地が散在する西三河平野の矢作川に面した地にある東洋理工株式会社を訪ね、横山真喜男代表取締役社長と鳥山直樹取締役技術開発室長にお話を伺いました。同社はプラスチック めっき専業メーカーとして自社開発の技術を用い、フロントグリルやガーニッシュ、ミラーカバーといった自動車部品、 マフラーカバー等の埠歯車部品を主な製品として生産を行うとともに、新しいプラスチックめっきの開発も進めている企業です。

創業事始

 当社は、昭和39年に設立しました。翌年、日本初のプラスチックめっき専業メーカーとして現在の地で業務を開始しました。今年で設立50周年を迎えます。設立当初は弱電機器用のつまみや枠などの製品が主体でしたが、当時はこの種のメッキに関する規格がなく、製品の品質の保証などで創業当時は苦労したようです。
 昭和41年に塗装加工業務を、昭和42年にプラスチック射出成形業務を開始し、昭和58年に金型製作部門を設立することで、製品の設計→金型製作→成形→めっき→塗装という一貫生産体制が整いました。製品は昭和44年に2輪車の部品に、昭和45年に自動車のパックミラーへ導入されて自動車部品への参入が始まりました。
 平成に入るとナイロンをはじめとするエンプラへのめっきをワンラック工法という新しい技術を開発して開始するとともに、乾式めっきも開始しました。その後、高品質化、低コスト化、環境対応等を図ってめっきラインの増設・改良を進めるとともに、MLT(MetalLike Tone)等新しいめっき製品の開発にも取り組んでいます。この間、平成16年度愛知プランド企業に認定、平成26年3月に「がんばる中小企業・小規模事業者300社」を受賞しています。現在の生産品は自動車関係のものが大部分で、次いで2輪車関係、水廻り機器他となっています。

基幹となる技術は...

 当社は、プラスチックめっきのパイオニアとして、①製品の開発・設計、②射出成形用金型の製作、③射出成形によるプラスチックの成形、④湿式めっきあるいは乾式めっきによる金属被膜生成、⑤塗装、⑥アセンブリ、という設計から仕上げまでの一貫した生産体制を持ち、顧客の要望に応じた高品質な製品を生産しています。
 通常のプラスチックめっき製品に用いられるプラスチックはABS樹脂ですが、当社ではPP(ポリプロピレン)、PA(ナイロン)、PC(ポリカーポネート)等のエンプラめっき製品も生産しています。湿式めっきは被めっき物をラックに掛けて浴に浸け処理を行いますが、ABS樹脂以外のエンプラへのめっきには、従来、ラックがめっきされることを防ぐため、ラックを掛け替える必要がありました。当社はラックの掛け替えが不要なワンラック工法を開発し、品質とコストパフォーマンスの向上を達成しました。また、多層ニッケル+マイクロポーラスクロムの高耐食性めっき法LOTHICSを開発し、外装品の耐食性、耐摩耗性を向上させています。

高い顧客満足度を得るために...

 プラスチックめっき製品は様々な場所で使われ、必要な性能も様々です。そのため、前述のようにガーニッシュ等外装部品用の高耐食性めっき法LOTHICS、耐熱性や強度等の特性が必要な部品に用いるエンプラ用のめっき技術などを開発してきました。逆に自動車のメーターリングなど内装部品で耐候性などを必要としない製品には、乾式めっきであるアルミニウムPVD(物理蒸着法)を使用し、顧客のコスト要求に応えています。
 また、金属により近いプラスチックめっきとしてMLTめっきを開発しています。これは叩くと金属調の音を発し、耐熱性も200tレベルと非常に高く、寸法精度も耐薬品性にも優れています。軽量化とコストパフォーマンスの面でアルミダイキャスト等の代替を目指しています。

環境調和した事業展開のために...

 めっき業としてクロムなどの重金属を用いる当社は矢作川に接する立地環境であるため、排水処理など環境対策には積極的に取り組み、平成元年には矢作川沿岸水質保全対策協議会より表彰を受けています。また製造ラインとしては、有害な6価クロムを用いずに同様の色調が得られる白色3価クロムめっきラインを平成20年に導入しました。さらに環境調和型めっき工法をもちいたABS樹脂めっきラインを平成22年に稼働させて環境負荷の一層の削減を図っています。
 職場環境については、平成13年にTPM(Total Productive Maintenance)優秀賞 第2類受賞を始め、平成14年にISOl4001認証、平成16年にはISO09001認証を取得し、生産効率を高めた活気ある職場づくりや環境に配慮した職場づくりに努めています。

さらなる発展を目指して...

 海外展開として、平成25年にインドネシア、ジャワ島に拠点を設立しました。インドネシアは高度成長時の日本のような活気がみられます。現地での地産地消を図るべく、操業開始に向けて準備を進めています。また、現在のところプラスチックめっきは、保護や装飾として利用されているものばかりです。そこで、今は具体的に言えませんが、機能性めっきとしての用途開発を検討しています。

会社概要(取材当時)
  • 社名:東洋理工株式会社
  • 創業:1964年9月
  • 資本金:2,500万円
  • 代表取締役社長:横山真喜男
  • 従業員数:168名
  • 事業内容:プラスチック製品の設計・製造ほか
  • 本社:愛知県安城市藤井町南山178番地 TEL(0566) 99-0851