株式会社東洋テクニカ

地球温暖化防止を目指して実効的な省電力システムを

 真冬の寒さが始まって目だまりが恋しい1月の午後、オフィスピル等が立ち並ぶ桜通の小川交差点にほど近い独立した4階建てピルに、株式会社東洋テクニカの森幸一代表取締役を訪問し、お話を伺いました。森氏は株式会社グリーンユーティリティーの代表取締役社長、一般財団法人地球温暖化防止LSE技術アカデミアの代表理事などとしても活躍しておられます。それらの活動は相互に深く関係しているため、本稿では森氏の活動全体の紹介を行います。

創業事始

 東洋テクニカは、自社開発の省エネ電気機器を製造販売する会社として、1988年7月に名古屋市中区で創業しました。創業当時の製品は、電力の利用効率を上げて性能を落とさず省電力を図る装置で、蛍光灯のインバータ化装置(35%の省エネ)やカ率改善装置付き省エネ型高圧受電設備等でした。同社では、省エネ機器の開発を継続しつつ省エネ・省資源にはシステム全体での対応が必要との考えから名古屋大学との共同研究を行い、2003年9月に株式会社グリーンユーティリティー(以下GUと記述)を国立大学教授障の協力のもと、産学協同で設立しました。以降、GUでシステムの提案・施工を行い、東洋テクニカはLED照明等GUの事業で用いる省エネ機器を主に開発・製造を行ってきました。この間2009年に名古屋市東区の現在地に両社とも移転しています。この体制で10年間省エネ事業を拡大し、新聞やテレピ等にも取り上げられてきました。しかし、二酸化炭素の削減にも有効であるこの省エネ手法を社会全体に浸透させる為には一企業のカでは限りがあるため、2013年に複数の国立大学の教授を理事に迎えて一般財団法人地球温暖化防止LSE(Life Style Evolution)技術アカデミアを設立し、省エネルギーの考え方や手法の全国への普及を図っています。

快適に省エネを図る機器の開発...(株)東洋テクニカ

 1988年に自社開発の省エネ電気機器を製造販売する会社として創業した東洋テクニカは、その後、2003年にガソリンスタンド等の外部照明の省電力を図る水銀灯調光装置、2004年にLEDディスプレイパネルなど、2007年には水の分子の中に空気を取り込みマイクロバブルを発生させる静電誘導型節水器を開発してきました。このうち、LEDディスプレイパネルは、名古屋市営地下鉄栄駅や名古屋駅で使われています。また、東京メトロ副都心線の標識照明をコンペにおいて一括で受注し新設の9駅で当社製品が導入されました。
 現在の主力製品はLED照明機器で、LEDで問題になっているノイズを極力抑え、青色光を抑制するために全面パネルに特殊処理を施すとともにちらつきをなくした目に優しいLED照明機器を2015年に開発しました。その他、空調制御装置(コンプレッサ制御装置)、ポンプ・ファンの周波数制御を行う誘導電動機用周波数制御装置、ピルや工場のエネルギー使用量の見える化を行い最大電力を制御するデマンドコントローラ、水道水の使用量を2~3割減少させる静電誘導型電磁パルプ付きの節水器、といった製品も提供しています。年間売上は、LED照明関係が1億円程度、その他が2億円程度ですが、基本的にGUを経由した売上なので、その割合は年によりかなり変動します。

省エネシステムの社会導入のため...(株)グリーンユーテイリティー(GU)

 地球温暖化防止のためのインフラシステムを研究する「グリーンユーティリティー特別研究分科会」の活動で、「地球温暖化防止にはシステム全体で省エネを図ることが必要でありその具現化には企業活動が必要である。」という研究会参加者からの勧めで、2003年にGUを設立しました。GUでは研究会に参加した大学教授等にも出資していただくと共に同社の技術アドバイザーとして迎え、技術的裏付けを持って事業を進めています。
 GUはESP(Ecology Solution Provider)事業と名づけた、エネルギーマネジメント事業等を行っています。対象は中大規模施設で、新築の場合は客先にニーズに合わせた電気・ガス・水道等インフラシステムの提案を行い、設置工事等を実施します。また、既設のシステムの省エネ化については、ESCO(Energy Service COmpany)事業[顧客の光熱水量等の経費節減実績から対価を得るビジネスモデル]の形態を活用しています。マスコミにも多数取り上げられ、大手スーパー、大型旅館、公共施設など全国の施設で導入が進んでいます。なお当社はメーカー系列に属していないため、ニーズに応じて最適な機器を導入できるという利点もあります。

更なる普及のために...(一財)地球温暖化防止LSE技術アカデミア

 例えば、省エネ機器として市販されているLED照明は青色光やノイズなど様々な弊害が報告されており、その解決には導入先の現状把握と適材適所の機器選定が必要です。2013年に設立した「一般財団法人地球温暖化防止LSE技術アカデミア」では、省エネの営業担当者、設備機器業者や電気工事業者、建設会社や工務庖等に環境改善の目線から省エネルギー技術等の啓蒙・教育を行い、受講者に「省エネルギー設計士」の資格を授与しています。この資格を持つ事で初めて省エネ営業ができる仕組みを構築し全国で活躍していただくことで、普及の加速を図っています。

将来への展望は...

 地球環境問題を考え、省エネの取組を大学教授等と行ってGUと共にESP推進協議会(現在会員数:80社100人程度)を設立し、10年間実績を積み重ねてきました。この3-5年間はアカデミアの活動も加え全国へ活動拡大する時期と考えています。「省エネルギー設計士」をさらに増やし、ESP会員企業を全国に1000社程度まで増加させることを目標に、私自身はESP事業の普及・推進のためセミナーなどを中心に活動しています。
 現在は企業が省エネを実施する際、電気・建築・設備機器などの各関係業者に相談する場合がありますが、カテゴリーの違いから「的を得た省エネ」に適さない事も多く、電気料金の削減にならないなど苦慮している需要家が多いのも現実です。そこで、「省エネルギー設計士」が相談窓口となり責任施工を実施して、快適で進化した省エネ技術で二酸化炭素の削減と同時に電気料金等エネルギー料金や管理費などの削減を行うことで社会に貢献し、サステナピリティ社会の実現を目指していきたいと考えています。

会社概要(取材当時)

社名:株式会社東洋テクニカ
創業:1988年
資本金:10百万円
代表取締役:森 幸一
従業員数:4名
事業内容:省エネルギー機器の製造販売
本社:愛知県名古屋市東区代官町33番地13 TEL(052) 979-7703

社名:株式会社グリーンユーテイリティー
創業:2003年
資本金:46百万円
代表取締役社長:森 幸一
従業員数:14名
事業内容:環境ソリューション事業
本社:愛知県名古屋市東区代官町33番地13 TEL(052) 979-8900