共同研究促進事業(過去の共同研究事業)

平成12年度 研究テーマ

「透明・硬質な超はっ水性バイオミメティック皮膜の開発」

1.研究リーダー

名古屋大学大学院工学研究科 材料プロセス工学専攻 教授 高井 治 氏

高井 治 氏

2.共同研究課題

水をはじく表面特性、“はっ水性”は、近年さかんに研究されるようになってきたテーマのひとつです。はっ水性は材料表面に置いた水滴の接触角(ある面上に置かれた水滴表面の、面との接触個所の接線と面とのなす角度)によって評価され、一般に接触角が150度以上の場合に“超はっ水性”と呼ばれています。

日本では、降雨量が多いことから、自動車部品、建築部材、光学部品、通信・電子機材、医療用機材、被服素材など、非常に多くの産業分野で、優れたはっ水性を示す材料に対する需要が多いといえます。

従来のはっ水性材料は、テフロンに代表されるように透明ではありません。また、実用的には厚さ千分の一ミリ(1ミクロン)程度の薄膜を、各種材料にコーティングして用いる場合がほとんどですが、膜厚の制御が難しいため、材料によっては薄膜化が困難でした。

最近、本研究のリーダーらは、蓮や里芋の葉が示すはっ水特性に注目し、葉表面の微細構造を模倣することによって、水滴接触角が150度を超える、酸化シリコン系超はっ水性皮膜の形成に成功しました。こういった、生物の示す優れた機能を模倣することを、"バイオミメティック"と名づけています。

本研究では、原料ガスをプラズマ状態にし、この活性なプラズマを利用して、気相中および基板表面での化学反応により薄膜形成を行う“プラズマCVD法”を用いて、超はっ水性皮膜を合成します。本方法では、ほぼ室温付近の温度で皮膜の形成が行えるため、プラスチックなど耐熱性に劣る材料へのコーティングも可能です。この合成プロセスにおいて、作製膜表面の微細構造と化学結合状態を厳密に制御する手法を確立し、可視光領域において無色透明で、かつ硬質な超はっ水性皮膜を、低温で大面積にわたり作製する技術を開発することを目的としています。

3.共同研究期間

平成12年度から平成14年度まで

4.共同研究機関

名古屋大学大学院工学研究科、(株)東海理化、市光工業(株)、伊藤光学工業(株)

5.研究概念

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