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炭素繊維応用技術研究会

炭素繊維は、金属と比べて「軽くて、強い」特性を持つことから、製品の軽量化ができ、エネルギーの節約につながるため注目を集めています。特に、次期旅客機「ボーイング787」の機体に炭素繊維補強複合材が大量に使用されることがマスコミに取り上げられ、話題となっています。以前からのゴルフクラブ、テニスラケットなどのスポーツ分野に加えて、自動車、産業用ロボットアーム、半導体製造で不可欠な高性能断熱材、土木建築、廃水処理分野等多くの分野で使用されてきており、今後は、限られた「ハイテク材料」から汎用的な「工業材料」として用途拡大が進むものと期待されています。

しかし、用途開発に当たっては、繊維加工技術、プラスチックとの複合化技術、成型加工技術、切削技術、接合技術などの幅広い要素技術が必要と言われています。
本研究会は、炭素繊維について第一線で活躍する研究者の方々を講師としてお招きして、炭素繊維を始めとして、その加工技術に関する諸課題について理解し、炭素繊維の応用を進めることを目的とし、都合3回開催いたしました。
多くの皆様にご参加いただき、有り難うございました。各概要については、[第1回]、[第2回]、[第3回]の結果をご参照下さい。

第3回開催結果

日時 平成21年11月18日(水) 【13:30~16:45】
場所 ウィンク愛知(愛知県産業労働センター) (名古屋市中村区名駅四丁目4-38)
内容
  • 講演1 【13:30-15:00】
    「土木・建築分野における複合材料の適用事例」
    講師 日鉄コンポジット株式会社 コンポジット開発部 部長 斉藤 誠 氏
    土木・建築分野に炭素繊維を中心とする繊維強化樹脂が使われはじめてから,20年ほど経とうとしています。そこで初期から現在に至るまでの複合材料の適用事例を,採用に至るために行なった試験結果なども含めてご紹介いただきました。
  • 講演2 【15:15-16:45】
    「GHクラフトのモノ造り、複合材事業:ヴィジョンとミッション」
    講師 株式会社ジーエイチクラフト 代表取締役 木村 學 氏
    (株)ジーエイチクラフトではACM(先端複合材料)を駆使して、まだ世の中に存在しないモノを設計・開発・試作する、斬新なアイデア工法でプロトタイプを創造することなどで産業界に貢献しようとしています。 講演にあたり、複合材料とは、 現国内複合材料界の状況、 世界と日本の業界(航空・宇宙)、今後可能性があると考えている事業、などの紹介、今どのような時代か(認識と課題)、 さあ、これからどうする! ・・・をご講演いただきました。

第2回開催結果

日時 平成21年9月30日(水) 【13:30~16:45】
場所 名古屋銀行協会 201号室
内容
  • 講演1 【13:30-15:00】
    「VaRTM工法を用いた航空機用構造の低コスト製造方法について」 ~JAXA 低コスト複合材の開発を通じて~
    講師 株式会社カドコーポレーション 代表取締役 倉谷 泰成氏
    JAXA(宇宙航空研究開発機構)において、低コスト複合材の研究として航空機に適応可能なVaRTM工法を研究しております。VaRTM工法は、既に風力発電ブレードや船舶などの産業用製品には多く用いられています。しかし、これら産業用の素材はコスト低減を優先しているために、航空機用構造に適用するには高品質でかつ品質を安定させる改善が必要となります。その改善において成形メーカーとしての取り組みを紹介されました。
  • 講演2 【15:15-16:45】
    「熱可塑性複合材の最新動向-自動車、航空機、産業機械などへ」
    講師 飯塚テクノシステム有限会社 代表取締役 飯塚 健治氏
    熱可塑性複合材、サーモプラスチック・コンポジットに就いての関心が、最近特に強くなって来ています。この現状を踏まえて、世界におけるその研究開発の歴史、材料生産技術、成形加工技術、マトリクス樹脂、さらには、期待される市場・用途開発などの動向を、先行する欧米の現状を中心に、実物サンプルを提示して説明されました。

第1回開催概要

開催概要
日時 平成21年8月5日(水) 13:30~16:45
場所 愛知県産業貿易館 西館
内容
  • 講演1(13:30-15:00)
    「高温用炭素繊維強化プラスチック複合材料の新しい展開」
    講師 独立行政法人物質・材料研究機構 ハイブリット材料センター
    複合材料グループ 内藤 公喜 氏
    数年前からスタートした(独)物質・材料研究機構での炭素繊維強化プラスチック複合材料に関する研究を「高温」「ナノ組織」「ハイブリッド化」をキーワードとして、材料の特徴や研究動向および機構での実験結果を含めて説明されました。
  • 講演2(15:15-16:45)
    「繊維強化複合材料の中間基材プリプレグについて」
    講師 株式会社ベンチャーラボ 主幹 テクニカルナビゲータ
    文部科学省産学官連携コーディネーター 松井 醇一 氏
    プリプレグは、ガラス繊維や炭素繊維にフェノール樹脂、エポキシ樹脂などを含浸した成形材料であり、切断し貼り合せた後、熱プレスあるいはオートクレーブを用いて加圧下に加熱して繊維強化樹脂(FRP)を得るための中間材料です。剛性・強度・軽量を重視する炭素繊維強化樹脂(CFRP)の製造にはプリプレグが好んで用いられ、マトリックスも熱硬化性樹脂から熱可塑性樹脂へと広がっております。これらの現状について説明されました。