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平成22年度 自動車における炭素繊維応用研究会

炭素繊維は、金属と比べて「軽くて、強い」特性を持つことから、製品の軽量化ができ、エネルギーの節約につながるため注目を集めています。炭素繊維は、次期旅客機の機体に炭素繊維補強複合材として大量に使用されることが話題となりましたが、近年の環境問題への回答として、自動車用の軽量部品への展開が注目され、特殊な「ハイテク材料」から汎用的な「工業材料」として用途拡大が進んでいます。しかし、用途開発に当たっては、繊維加工技術、プラスチックとの複合化技術、成型加工技術、切削技術、接合技術などの幅広い要素技術が必要と言われている。

本研究会は、炭素繊維について第一線で活躍する研究者の方々を講師としてお招きして、炭素繊維を始めとして、その加工技術に関する諸課題について理解し、炭素繊維の応用を進めることを目的とし、都合3回開催しました。

多くの皆様にご参加いただき、有難うございました。各概要につきましては、[第1回]、[第2回]、[第3回]の結果をご参照下さい。

第3回開催概要結果

日時 平成23年1月26日(水) 13:30~16:45
場所 愛知県技術開発交流センター 交流ホール
 愛知県刈谷市恩田町1丁目157-1(愛知県産業技術研究所内) TEL(0566)24-1841(代表)
内容
  • 講演I  【13:30 ~ 15:00】
    「NAT(Nano adhesion tech.)金属と金属、及び、金属とCFRPの接着技術」
    講師  大成プラス株式会社 技術本部 技術開発部
    部長 安藤 直樹 氏
    私が発明した樹脂成形品と合金を一体化する射出接合技術NMTを接着剤接合技術に応用したものをNATと言う。接合力は硬化エポキシ接着剤の材破強度となり60~80MPaある。NAT処理した金属合金とCFRPの接着力も同等になるが、 CFとマトリックス樹脂間の接合力よりもNAT接着力が勝るのでCFRP作成に工夫が要る。NATは今後の日本の重要技術になるものと考えられる。そして、今後の課題はCFRPと金属材を上手く一体化する設計技術の開発であろう。
  • 講演II  【15:15 ~ 16:45】 
    「炭素繊維のリサイクルについて」
    講師    炭素繊維協会 リサイクル委員会
    委員長 松木 寿嗣  氏
    炭素繊維は、航空機や自動車等の軽量化に欠かせない素材で、省エネルギーや二酸化炭素排出抑制に効果的であり、今後益々の重要増が予想されている。これに伴い、炭素繊維のリサイクルは喫緊の課題となっています。炭素繊維のリサイクルに関する国内外の状況と、炭素繊維協会のこれまでの取り組み及び現状について報告。

第2回開催概要結果

日時 平成22年12月3日(金) 13:30~16:45
場所 愛知県技術開発交流センター 交流ホール
愛知県刈谷市恩田町1丁目157-1(愛知県産業技術研究所内) TEL(0566)24-1841(代表)
内容
  • 講演I  【13:30 ~ 15:00】
    「レーシングカー技術でつくるカーボンコンポジット製品」
    講師 株式会社童夢カーボンマジック代表取締役社長  奥 明栄 氏
    30年に及ぶレーシングカー開発で培った軽量構造、空気力学、電子・運動制御などの要素技術を複合的に活用し、ターゲットを「速さ」から「省エネルギー」に変え、さまざまな産業分野の製品・部品のパフォーマンスを極限まで高める開発を展開しています。今回は、この活動を通して見えてきた複合材料適用用途の傾向と対応について報告。
  • 講演II  【15:15 ~ 16:45】
    「1/Xコンセプトカーを例えとして考える、樹脂軽量化技術開発の課題」
    講師 トヨタ自動車株式会社 車両材料技術部 有機材料室 主査  河村 信也 氏
    2008年東京モーターショーで展示した1/Xコンセプトカーは、4人乗車でありながらも車両重量420kg(プリウスの1/3)を実現するために、ボデ―構造をCFRP材料で構成しました。軽量ボデーであることにより、足回りやユニットの仕様が大きく変わり、その影響でボデ―構造がさらに変わる相乗効果も期待できます。2年経った今、コンセプトをより現実に近づけるために、我々に何が成せるのか、成さなくてはならないのかを一緒に考えていただきたい。

第1回開催概要結果

日時 平成22年9月24日(金) 13:30~16:45
場所 名古屋銀行協会 201号室
 名古屋市中区丸の内二丁目4-2 TEL(052)231-7851(代表)
内容
  • 講演I  【13:30 ~ 15:00】
    「熱可塑性CFRPによる量産車の軽量化戦略と技術課題」
    講師  東京大学 大学院工学系研究科 システム創成学専攻 教授  高橋 淳 氏
    本講演では、まず、航空機や風車用のCFRPの需要と自動車用のCFRPの需要の量的、質的な違いを明らかにし、量産車用に開発されている熱可塑性CFRPの狙いと期待される成果について説明する。また、ハイブリッド車を含む電気自動車における軽量化の効果についても私案を紹介。
  • 講演II  【15:15 ~ 16:45】 
    「炭素繊維複合材料の開発状況と用途展開について」
    講師 東レ株式会社 オートモーティブセンター 課長  清水 信彦 氏
    地球規模の緊急課題である温暖化対策について、CO2排出量のおよそ1/5を占める輸送分野では、排出量低減のため、次世代パワートレイン技術に加えて車体の軽量化技術にも注目が集まっている。この切り札となる炭素繊維複合材料の最新開発状況や用途展開例について報告。