今年度の実施課題

平成30年度の採択課題と概要は以下のとおりです。
 

血液中循環がん細胞(CTC)自動検出装置の開発とその臨床評価

実施企業:マルヤス工業株式会社(名古屋市)

 血液中循環がん細胞(CTC)は低侵襲で行える次世代診断ツール(Liquid Biopsy)として長らく期待されてきたが、数が希少であること、暗視野での多重蛍光染色に基づく不十分な形態情報のためCTCの正確な診断に限界があること、さらに測定コストが高いことなど種々の課題があり、未だバイオマーカーの一つとして一般臨床検査として普及するには全く至っていない。
 本研究では、上記課題を克服する方法として、CTCを明視野で永久標本による細胞診として低コストに検出できる自動検出装置を開発し、市中病院の臨床検査室でも使用可能な汎用性のあるCTC検出装置として臨床データを蓄積、将来的な事業化を目指す。

 

X線暗視野撮影法に基づく高空間分解能位相コントラストX線カメラの開発

実施企業:フルステージ株式会社(瀬戸市)

 X線暗視野法(XDFI)は位相コントラストによるX 線撮像法であるため、従来の吸収コントラストによるX線撮影よりも格段に高精細に生体軟組織を描出できる能力を持つ。この革新的な技術により、我々は世界で初めて非浸潤性乳管癌の仮想内視鏡観察や、非浸潤性小葉癌の3次元構築に成功した。現在、名古屋大学、名古屋医療センター、総合科学研究機構、フルステージ株式会社からなる研究グループでは、XDFIを病理診断の分野へ応用する研究開発を進めている。
 本課題では、位相コントラストを生成する角度アナライザー結晶とX線カメラを一体化した、コンパクトで高空間分解能なX線カメラシステムを開発する。この開発をあいちシンクロトロン光センターBL8S2ビームラインで行い、生体試料の3次元分布を高空間分解能に撮像できることを実証する。