Aichi Science and Technology Foundation
事業内容
超音波楕円振動切削技術
1.超音波楕円振動切削技術 (EVC:Elliptical Vibration Cutting)
1.1 従来技術の課題
1.2 開発技術
1.3 超音波楕円振動切削加工例
1. 超音波楕円振動切削技術
1.1 従来技術の課題
精密/微細切削にはダイヤモンド工具が用いられますが、従来、鋼に対してはダイヤモンドの拡散摩耗が激しく、適用できませんでした。
1.2 開発技術
超音波楕円振動切削により、ダイヤモンド工具による焼入れ鋼の磨きレス鏡面切削を実現しました。その原理は、工具刃先と被削材間に付加する超音波楕円振動に基づきます。振動周期毎に生まれる鋼の活性な新生面に酸素が吸着し、これが保護層を形成してダイヤモンドから被削材への炭素拡散を防止、ダイヤモンドの拡散摩耗を抑制します。さらに、切り屑排出の促進によって切削抵抗が激減するとともに、滑らかな仕上げ面を生成します。
精密金型作製において、ニッケルリンメッキ工程および職人技の磨き工程が不要の鏡面切削が可能になりました。
(特許第6006959他5件 名古屋大学教授 社本英二ほか)
(http://www.tagaele.com/industrial/el50sigma.html)
・社本英二、森本祥之、森脇俊道、「楕円振動切削加工法(第1報)」精密工学会誌, Vol. 62, No. 8, pp. 1127-1131 (1996)
・社本英二、鈴木教和、「楕円振動を用いた超精密切削」精密工学会誌, Vol. 72, No. 4, pp. 440-443 (2006)
超音波楕円振動切削加工法
1.3 超音波楕円振動切削加工例
金型鋼の鏡面切削例
(Stavax, 53HRC, Rz40nm)
高耐熱タングステン合金製金型の磨きレス鏡面加工と成形したガラスレンズ
・鈴木教和、閻 甄敏、針谷誠、楊積彬、浜田晴司、樋野励、社本英二「タングステン合金の超精密超音波楕円振動切削」 精密工学会誌 Vol. 73, No. 3, pp. 360-366 (2007)