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令和7年度「産学協創チャレンジ研究開発事業(共同研究型)」で実施する研究開発課題が決まりました。

令和7年度「産学協創チャレンジ研究開発事業(共同研究型)」では、下記の研究開発課題を実施します。(4件)

複数の搬送ロボット及び自動運転車両の階層化最適制御理論による協調制御の研究(新規採択課題)

統括研究者

 原田車両設計株式会社 代表取締役 原田 久光

共同研究機関

 原田車両設計株式会社、名古屋大学

研究期間

 令和7~8年度

研究開発の要約

 複数の搬送ロボット及び小型EVの自動運転車両を集中制御ではなく個々のロボットや車両間での分散制御による協調動作の実現を目的とする。低速域で複数の異なるメーカーの搬送ロボットを活用して協調制御の可能性を検討する。協調制御が可能になると、工場や倉庫などの物流現場における効率化と生産性向上に大きく貢献する。また、レベル4自動運転トラックの運用が、新東名高速道路で実証実験が開始され、近い将来には、編隊走行にて複数車両の協調運転が必要となり、前方車両の情報を後方車両が瞬時に共有する協調制御の重要性が高まると予測する。

 名古屋大学で開発された階層化最適制御理論に基づき実証実験にて低速域から時速30㎞での運用の有効性を確認する。将来的には、時速100㎞での高速道路での運用と航空宇宙分野での時速300㎞の領域での複数車両の協調運転につなげて水平飛行の宇宙旅行用の機体の台車として活用の可能性を検証する。

把握力調整能力評価トレーニングデバイスiWakkaの高機能化と付加価値向上(新規採択課題)

統括研究者

 名古屋工業大学 電気・機械工学類 教授 森田 良文

共同研究機関

 名古屋工業大学、株式会社セカンドコンセプト

研究期間

 令和7~8年度

研究開発の要約

 知の拠点あいち重点研究プロジェクトⅣ期の「多感覚ICTを用いたフレイル予防・回復支援システム」の成果の一部として、従来の把握力調整能力評価トレーニングデバイス「iWakka」の機能性とデザイン性を向上させ、脳トレアプリを開発し、実証評価を行った。その結果、手指の巧緻性トレーニングが認知機能(特に注意・記憶)の向上に寄与するだけでなく、脳卒中片麻痺者の運動機能回復や発達障害児の認知トレーニングなど、介護・医療現場での幅広いニーズが確認された。

 本研究開発では、さらなる高機能化を目指し、開発・試作・実証試験を行う。実証評価を通じて得られたユーザビリティ向上の要望に応え、iWakkaにSIM対応、動作追跡機能、クラウド管理を実装し、在宅・医療・介護現場,企業の健康経営にも対応可能なシステムを開発する。さらに、現場データの蓄積と分析により、加齢や疾患による運動機能の変化を早期に捉え、予防医療・予防介護に貢献する製品化を目指す。


負熱膨張性真球微粒子の創製(継続課題)

統括研究者

 名古屋大学大学院工学研究科 教授 竹中 康司

共同研究機関

 名古屋大学、株式会社ミサリオ

研究期間

 令和6~7年度

研究開発の要約

 名古屋大学で開発された「温めると縮む」負熱膨張の性質を示すピロリン酸亜鉛マグネシウムZn₂-xMgxP₂O₇を熱膨張抑制剤微粒子として提供し、輸送機器や半導体デバイスなど、様々な機器・システムの熱による不具合の解消という産業界の強い要望に応える。共同開発する株式会社ミサリオがこれまでに試験粉の提供をした企業等での基礎試験で顕在化した、樹脂との複合化の際の流動性低下の問題を解消するため、粒形状の真球化を実現する。本研究の目標を達成することで、ピロリン酸亜鉛マグネシウム微粒子の大規模な社会実装を阻む最大の技術的課題が解決され、産業の様々な分野で求められる熱膨張抑制剤として活用可能となる。これにより、電子デバイス、半導体製造等の精密プロセス、航空宇宙、輸送機器、情報通信、光学等、様々な先端分野での、性能や信頼性の向上、長寿命化、省力化などに大きく貢献する。

高出力単一モード窒化物系量子殻レーザーの研究開発(継続課題)

統括研究者

 名城大学 理工学部材料機能工学科 教授 上山 智

共同研究機関

 名城大学、イー・アンド・イー・エボリューション株式会社

研究期間

 令和6~7年度

研究開発の要約

 近年無線給電技術への関心は非常に高まっており、自動車の省配線化・空中に浮かぶドローンへの給電・海中における送電システムなど期待される応用用途は多岐に渡る。現在実用化されている電磁誘導方式等の給電システムは伝送効率70-90%を実現しているが、その伝送可能距離は短く使途としては限定的である。

 そこで、本事業では従来よりも格段に高効率かつ高指向性を有するレーザダイオード(LD)を開発し、これを光源として用いる長距離光給電システムの構築・実証を行う。名城大学で開発を進めているナノワイヤ-GaNと呼ばれる柱状結晶の外殻部に発光層を設ける量子殻構造を利用したLDが本事業の核となる。その特徴は3次元構造による発光面積の増大、結晶の歪に由来する電界による悪影響が少ない結晶面の利用等によりLDの発光効率に寄与する光閉じ込め係数の大幅な向上が期待できる。3次元の複雑な構造由来の電流リークや高電気抵抗に対する対策が喫緊の課題である。 


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