令和7年度「産学協創チャレンジ研究開発事業(大学シーズ型)」で実施する研究開発課題が決まりました。
- toshiyuki-matsuda
- 2025年7月10日
- 読了時間: 4分
令和7年度「産学協創チャレンジ研究開発事業(大学シーズ型)」では、下記の研究開発課題を実施します。(4件)
マイクロ波加熱を利用したカーボンニュートラルHYBRID加熱装置の開発
代表研究者
中部大学 工学部 准教授 樫村京一郎
ニーズ提供企業
株式会社ナリタテクノ
研究開発の要約
燃焼排ガスにCO2を含まないカーボンニュートラル燃料(電気、水素、アンモニア)は、工業炉分野における脱炭素化の選択肢として期待されている。電気加熱は、排気ガスは出ない長所を持つが、高温にするには多くのエネルギー消費に課題を持つ。また、水素燃料は、燃焼性が高く燃えやすいが、サーマルNOxが発生する。同じく、アンモニアであれば燃焼性が低く燃えにくいうえに、フューエルNOxが発生する。そこで、マイクロ波(以下MWとする)加熱をベースに、電気加熱(熱風)、水素バーナ、アンモニアバーナにてHYBRID式加熱方式で2000℃超の火力を実現させる加熱装置を開発し、核技術のベストミックスを確立する。本研究では、MW加熱を用いてカーボンニュートラル燃料との相乗効果で与える影響を確認し、脱炭素に向けたCO2削減とあわせて、カーボンニュートラル加熱装置として用いることによる優位性の有無を確認する。
ホットメルト-質量分析法による前フレイルの新規診断法の開発
代表研究者
名古屋大学 環境医学研究所 助教 鈴木弘美
ニーズ提供企業
株式会社森部商店
研究開発の要約
超高齢化社会では加齢に伴う心身の活力低下により生じるフレイルが社会問題となっており、筋肉量の低下や骨密度減少などの症状が発症する前の早期診断が求められている。発症前フレイルを検出するバイオマーカーが報告されているが、その分析には高度な分析装置と煩雑な前処理を必要とするために実用化されていない。本提案では、申請者らが独自に開発したホットメルト-質量分析法(特殊なフィルム上で質量分析を行うと複雑な前処理を施すことなく多くの種類の生体物質が分析できる技術;国内特許第6583795号)によって、汗や表皮に含まれる前フレイルのバイオマーカーを、医療用テープや絆創膏などの貼付材を用いて検出する新規で非侵襲な診断法の開発を行う。開発においては、開発期間の短縮を図るため、人体に対して安全性が確保されている市販の医療用の貼付材(予備試験により8種類の貼付材を選定済み)を用いて行い、事業化・実用化を加速する。
ビニルシランを用いた鉄系材料へのシリコンカーバイドコーティング開発
代表研究者
愛知工業大学 工学部 電気学科 准教授 竹内和歌奈
ニーズ提供企業
中日本炉工業株式会社
研究開発の要約
パワー半導体デバイス材料として知られているシリコンカーバイド(SiC)は高硬度、耐熱性、耐磨耗性、耐腐食性、高い酸素バリア性、高い熱伝導率など優れた特性を持つ材料である。その特徴から不純物の導入を防ぐための半導体製造装置の部材などのコーティングが応用として期待できる。一方で、コンフォーマルなコーティングは化学気相成長(CVD)法が用いられるが、この方法を用いたSiCコーティングは高温になるため、Siと反応する鉄系金属にコーティングすることは非常に難しい。安価で一般的によく使われる鉄系金属にSiCをコーティングできれば、応用の範囲が広がる。これまで、我々のグループでは窒化処理を併用することで、ビニルシランを用いて、鉄基板上にSiCのコーティングする条件を見つけた。本申請ではこの技術を実用化するために、様々な鉄系金属に様々な条件での窒化処理を施し、SiCコーティングを行う。
海洋生物付着防止のためのコーティング技術の研究開発
代表研究者
名古屋大学 大学院 工学研究科 教授 市野良一
ニーズ提供企業
三和工業株式会社
研究開発の要約
本研究では、海洋構造物や船舶の表面に生じる生物付着を抑制するため、環境負荷の少ない防汚コーティング技術の開発を目指す。具体的には、金属表面に電気めっき、溶融亜鉛めっき、溶射などの表面処理を施した後、紫外線耐性に優れたアルコキシシラン系樹脂をコーティングし、抗バイオフィルム性を向上させる。さらに、抗菌元素を分散させた樹脂も用い、付着抑制効果を高める。また、今回あわせて検討する性能評価方法は、実際の海水を用いた実験室的加速試験方法であり、付着生物の挙動を解析することが可能になり、最適な被膜構成を決定することができるようになる。これらにより、耐久性と持続性を兼ね備えた新たな海洋防汚材料の確立を目指す。


